『ヨルムンガンド』第1話
本人の意志とは関係なく少年兵として戦うことを強いられ、武器そのものを憎んでいた少年ヨナはヒロインにして世界的武器販売メーカーHCLI社令嬢のココ・ヘマクティアルの彼女の私兵部隊の一員として世界を飛び回ることとなる。アニメ化前にコミックの特典として付いてきたドラマCDではココとヨナはそれぞれ井上麻里奈さん、ストパンのトゥルーデお姉ちゃんでお馴染みの園崎未恵さんだったのだけどアニメじゃ伊藤静さん、田村睦心さんに変更されておりどうなるかと思っていたが全く違和感なく楽しめたので良かった。伊藤静さんと田村睦心さんだから全シーズンのアニメだと『ハイスクールD×D』の朱乃さんと『キルミーベイベー』のソーニャだな。他にもヘマクティアル分隊の中核をなす元デルタ分遣隊のエリートでリーダー的存在・レームはそのまま石塚運昇さん、ココ大好きなきょぬー百合っ娘でナイフコンバットの達人バルメは藤村歩さんから大原さやかさんに変更だ。まあバルメは百合っ娘、というにはさすがに無理のある年齢――(管理人が背後から何者かに頸動脈を切り裂かれました)
おそらく旧ソ連と思われる某国のミグ-29ファルクラムの近代改修キットの引渡しを妨害しようとする内務次官はヘマクティアル分隊に刺客を差し向けるも当然商売柄ココたちは襲撃に備えていた。合流したてのヨナはいきなり敵兵をFNCの一撃で仕留め、対戦車ミサイルの起動を手榴弾の爆発で逸らし次弾装填の間にヘッドショットで止めを刺すはバルメは敵の装甲車両に乗り込んでナイフ一閃で搭乗員を皆殺しにするなど無双ぶりを発揮していた。刺客を退けた後に私という武器商人を殺せば君の復讐がひとつ達成できるぞというココ、しかし君はまた武器を持つということの頼もしさを誰よりも知っているからそれを捨てることは出来ないという台詞は原作を読んだ当時でも印象的なものだった。そしてなぜ武器を売るのかという問いに対しココは不敵な笑みを浮かべ「世界平和のため」と応えるがこの真意は後々に明らかになってくるのでここでは明言は避けておこう。
そして続いては空軍にハインドD型を密輸しようとするフリーランスの武器商人・クロシキンの対処に向かうヘマクティアル分隊はバルメと元自衛官のトージョに政府との交渉を支持し、その間にココとヨナは直接クロシキンとの交渉に向かうことになる。クロシキンとの交渉にあたってヨナは弟ということにするということだがどう見ても無理があるだろと突っ込んだ人は原作から結構いそうだw しかし両者の交渉は没交渉に終わりココはクロシキンにコーラの瓶で頭を殴られ挙句にスナイパーに狙撃を命じられるも既にそこはレームたちが始末済みだった。ココの顔に傷をつけるとかバルメが見たらきっと八つ裂きにされてるだろうなクロシキン……
完全に後詰まりになったクロシキンはあっさりヨナに射殺され、ハインドも政府の手に渡ることなく何とかココも減給のピンチを免れることに成功したのだった。これまでの活躍によりヘマクティアル分隊の一員として認められたヨナは軍や国家にも縛られない新たな存在の卵として卵料理を作らされるもその味はどうやったらこんなものが出来るんだというくらいひどいものだった。原作のおまけ漫画じゃ人によって酸っぱいとか辛いとか変な幻覚が見えるとかとんでもないものなのだけどそれがカットされていたのは残念。最もヨナ自身は平然と食ってたけど。
とりあえず初回はガンアクションや兵器のディテールの細かさ、よく時雨沢恵一さんがネタにする引き金を引く瞬間まで指を掛けないという射撃の原則もちゃんと守られていたし見応えのあるものに仕上がっていて満足というところだ。少し気がかりなのはちゃんと原作ラストまでが忠実に再現されるのかとかちゃんと2クール続けてやるのかということだけど中だるみせずこのクオリティを維持してくれるかどうか期待したい。